ベジファーストの意外な落とし穴
確かに野菜に含まれる食物繊維は、前ページで解説したように、糖質や脂質の吸収を穏やかにするメリットがあります。ただし、裏を返せば、人間にとって必要な栄養素の吸収も穏やかにしてしまうとも言えます。
大切な栄養素が身体に届かなくなると、体調不良を招くことは、言うまでもありません。
一概に良いとは言えない満腹感
また、食物繊維による満腹感で必要な栄養素を摂取する前にお腹がいっぱいになってしまうことも。現代人は、糖質・脂質は過多でも、タンパク質やビタミン、ミネラルが不足しがちです。中でも、特にタンパク質は重要な栄養素。タンパク質(英語でプロテイン)は筋肉はもちろん、内臓、骨、血液、皮膚、爪、そして美容師にとって大切な「髪」といった生きていくうえで不可欠な組織をつくる材料となるものです。
タンパク質不足を見分ける1つのサイン
最近、風邪をひきやすくなったかも?と感じたことはありませんか?もしかすると、それはタンパク質不足のサインかもしれません。不足し続ければ、やがて免疫力や体温低下を引き起こし、病気にかかりやすくなることもあるのです。
ベジファーストを実行して、肝心なタンパク質を摂る前にお腹いっぱいになっていたとしたら、本末転倒です。
タンパク質の摂取目安
大まかにいうと、体重×1g。50kgの人であれば、50gです。ちなみに、ダイエット中であれば、体重×1.2gなので、60gとなります。
朝食など、一食でも食事を抜いている人は、タンパク質不足の可能性が特に高め。血糖値コントロールの意味では、ベジファーストはお勧めできますが、タンパク質が摂取量が充分でない方は、「プロテインファースト」の方がお勧めです。