思わぬ失敗に!還元タイプのティント除去料を使用する際の注意点
あれ、結構、暗くなってない? というか、ピンク味もあまり感じないぞ。実は、還元タイプのティント除去料を使う場合は、このことに注意しないと思わぬ失敗につながるんです。
還元タイプのティント除去料は、「還元」という作用を使って、ティントを落とすわけです。というか厳密に言うと、実はティントを落としているわけじゃない。頭が「?」になった方、スミマセン。ちょっと細かく解説しますね。
アルカリカラーのジアミン色素は「酸化」重合して色が出るって言われますよね。この酸化の反対が、先ほどから出ている「還元」という作用。つまり還元タイプのティント除去料は、酸化重合して色が出た染料を還元の力で外しただけということなんです。だから、髪の中には分裂したジアミン色素がしっかり残っている。そこへ、またアルカリカラーを塗布するわけですから…、そう! 髪の中に残っている黒染めの染料がまた酸化重合して復活する。だから暗くなってしまうのです。
この辺、文章で書くとややっこしいですが、「経営とサイエンス」の8月号では、上のウイッグの各状況に合わせて、毛髪内の染料がどうなっているかをイラストでわかりやすく解説しています。もちろん、還元タイプのティント除去料を使って、いったん染料を分解した後、カラーチェンジする場合、どうすれば黒く戻らず、希望の色を発色させられるかもばっちりまとめました。
これからちょっとすると夏休みのシーズンを迎えます。当然、髪を明るくしたいってお客様が増えますよね。そのとき、「この前まで就活だったので、黒染めしてたんですが、明るくできますか?」って方もかなりいるかと思います。2019年8月号はそんなお客様にうってつけです。ご興味のある方はどうぞご覧いただけたら嬉しいです!