次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒について
どうも、CHIAKIです! 新型コロナウイルスの影響が依然として続いている今、サロンの衛生管理の一助になればと思い、今回は、次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒についてシェアさせていただきます。美容専門学校の授業の復習としてお読みいただければ幸いです。
次亜塩素酸ナトリウムは、細菌はもちろんウイルスも不活性化する効果のある消毒薬のひとつです。一般には、家庭用漂白剤として市販されています。
次亜塩素酸ナトリウム・適切な濃度は?
濃度は、一般的な漂白剤の場合、5~10%濃度の溶液が発売されており、希釈して使用します(一部、乳幼児用の漂白剤の場合は、1%程度の濃度とも言われています)。いずれにせよ、使用は希釈が基本になります。
サロンの中で、次亜塩素酸ナトリウムを消毒薬として使用する場合は、美容師法施行細則、理容師法施行細則によって、その濃度が決められています。
濃度は大きく2つのケースに分かれます。具体的には、①「血液が付着した、又はその疑いのある器具」を消毒する場合と、②「それ以外のもの」を消毒する場合の2つです。
①「血液が付着した、又はその疑いのある器具」を消毒する場合
次亜塩素酸ナトリウムが0.1%以上の水溶液中に10分以上浸すことと規定されています。
②「それ以外のもの」を消毒する場合
対して②の場合は、0.01%の水溶液中に同じく10分以上浸漬することと規定されています。いずれの場合も濃度の上限は定められていないようですが、美容専門学校の教科書には、「せいぜい0.2%くらい」を上限に考えてよいと記載されています。
ペットボトルのキャップがだいたい5mLと言われているので、希釈量はかなり薄めですね。
ちなみに厚生労働省の情報によると、次亜塩素酸ナトリウムは、希釈水溶液の浸漬以外に、0.05%に希釈した水溶液をガーゼや脱脂綿などに含ませて清拭する方法もあるようです(清拭する場合は、殺菌力が若干、落ちるとの意見もあり)。
次亜塩素酸ナトリウムのメリットを整理すると・・・
続いて、次亜塩素酸ナトリウムのメリットを整理します。
- 安価である
- 漂白作用がある
- 殺菌と同時に防臭の効果がある
- 毒性が弱い
- 細菌はもちろん、ウイルスにも作用して、不活性化する
デメリットは?
- 比較的不安定で分解しやすく、冷暗所に保存しなければならない
- 動物繊維製品をぼろぼろにすることがある
- 色ものの布片に使用すると、色落ちすることがある
- 金属を腐食する
- 結核菌に対して殺菌力がほとんどない
- 10分間程度の作用では芽胞は不活性化されない
- 有機物(横れ)によって効果が低下する
(いずれも出典:「衛生管理」(公益社団法人 日本理容美容教育センター刊)
(上のデメリットで、「金属を腐食する」と記載があるので、シザーやダッカールなど、金属を使った器具には不向きな一面もありそうです。またメリットに「防臭効果がある」との明記もありますが、一方では消毒か所の「塩素臭が残る」という声もあり、その場合は2度拭きを推奨するものもあるようです。
見落としがちな使用上の注意点
ちなみに見落としがちな使用上の注意点としては、希釈した次亜塩素酸ナトリウムの水溶液をスプレーなどに入れて、噴霧しないことだそうです。理由は、吸引のリスクがある(吸引は人体に良くない)のと、均一な塗布ができなくなるからのようです。特に濃度が高い場合はより注意が必要です。原則として手袋をして消毒する、他の薬品と混ぜないなども注意したほうがよいようです。
あわせて、最近、市場には、次亜塩素酸水というものも登場してきているようですが、2020年4月10日に行われた政府答弁では、今のところ細菌やウイルスの不活性化につながる有効性は確認されていないとの判断が下されるそうです。以上が、次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒についてです。皆さまのお役に立てましたら幸いです。