そもそも「コンプライアンス」って何?
どうもCHIAKIです! 2020年6月25日現在、相変わらず感染者は減らないコロナウイルスの影響下で、第2波を予測する人もいるみたいですね。仮に第2波が来たときにも慌てないよう、今回のブログでは、サロン経営者としてコンプライアンス上、一番考えるべきことについてまとめてみようと思います。
つまり、1980年代後半から、企業のコンプライアンスに対して向けられる社会の目は高まってきているわけです。
まずは、スタッフの給与補償を重視すべき
さてさて、ではコロナ禍で一番、配慮すべきコンプライアンスとは? ですが、こちらの先生にお聞きしました。ピクト法律事務所の茨木拓矢先生です。
茨木先生は、美容に特化した弁護士として活躍されている方です。ちなみに取り扱う美容のジャンルは、美容室、理容室はもちろん、エステや美容関連のメーカーまでかなり多岐にわたるそう。
茨木先生いわく、「美容室のオーナーさんが、このコロナ禍で一番注意すべきコンプライアンス項目は、やはり“スタッフの給与補償について”ですね」と話してくれました。やっぱそうですよね、コロナとは言え、「売上下がりました、給料払えません」では、厳しい社会の目は許してくれません。
いつの世も社会は、立場の強いオーナーより、立場の弱いスタッフの味方に立つもの。オーナーさんとしては、非常につらいところですが、そこはぐっとこらえて対応するしかないわけです。
休業手当は、平均賃金の6割以上を補填
じゃあ、何でも言うなりにならないといけないのかというと、そうではないようです。茨木先生によれば、「法律のルールでは、従業員が仕事を休んだときには、有給などを使用した場合を除いて、『ノーワーク・ノーペイ』と言って、給与の支払義務は発生しません。ただし、『使用者に原因がある休業』の期間中は、休業手当として、平均賃金の6割以上を支払わなければならないとされています」だそうです。
ちなみにここで言う「使用者に原因がある休業」とは、従業員の保護のために広く解釈されていて、通常の経営者として注意を尽くしても避けることのできない事故等の不可抗力でない限り、休業手当の支払いが必要となると考えられています。
スタッフに感染の疑いがあったら……
ご存じのように、今回のコロナは先ほどの『使用者に原因がある休業』には該当しません。では、「スタッフにウイルス感染の疑いがある場合はどうなの?」って疑問が残ります。茨木先生に聞いてみたところ、「この場合は、一般的に「使用者に原因がある休業」に該当するので、休業手当を支払う必要があると考えられます。
このようなケースに備えて雇用調整助成金がありますので、積極的に活用を検討してください。なお、スタッフの方から自発的に休んでいる場合であっても、助成金などの活用を踏まえて休業手当の支給を積極的に考える必要があると思います」という回答が返ってきました。
子供の学校が休業で出社できないスタッフは?
これまでの話は、たぶん第1波のときに経験済みというオーナーさんも多いかと思います。ちなみに第1波のときに、意外に盲点とされていたのが、「学校が休業になり、子供を見るために出社できないという事情で休業するスタッフがいた場合」です。
こうしたケースについて、茨木先生は、「基本的には業務と関係ないスタッフの個人的事情となるため、賃金だけでなく休業手当の支払いも不要となります。ただ、今回の学校の一斉休校の要請は非常に例外的なものであり、スタッフ側の個人的事情と割り切れないのも事実です。こちらも、同じく助成金などの活用を踏まえて休業手当の支給を考えるのが望ましいと思います」と回答してくださいました。
先生のアドバイスを反映しようとした場合、結局、サロンからの持ち出しは増えてしまうわけですが、こういう危機的なときほど、スタッフたちはオーナーの対応を見ているものです。
「やっぱ、ピンチになるとボクたちを見捨てるのね(涙)」のような不信感を植え付けてしまうことは長い目で見て得策ではありません。自社に対するスタッフの帰属心を高めるチャンスと思って、誠意のある対応を心がけたほうが良いと思います。
『経営とサイエンス』の連載「サロンのコンプライアンス」では、今回のブログで解説いただいた茨木先生に登場いただき、サロンを経営するにあたって押さえたおいたほうが良いコンプライアンス事項について整理しています。特に、このコロナ禍では、コロナに特化した情報もまとめています。ご興味のある方は是非とも読んでいただけますと嬉しいです。